糖尿病でインポになる?

回答:財団法人青少年性病予防協会理事長 医学博士 大沼晶響 先生

Q08.

糖尿病になるとインポテンス(勃起障害)になるというのは本当でしょうか?
19歳男性

Answer

糖尿病の合併症、末梢神経障害や血管障害によってインポテンスになることはあります。しかし、糖尿病と関連づけてそれを考えてしまう心因性によるインポテンスも多くみられます。糖尿病になったからといって全ての人がそうなるというわけではありません。

インポテンス(勃起障害)とは?

インポテンスは「性交の機会の75パーセント以上で勃起が不十分なために挿入が不可能なもの」と定義されています。4回に3回の割合で勃起しなければインポテンスということになります。

男性の基本的な性機能には、性欲、勃起、射精、挿入と性運動、絶頂感(オーガズム)があり、このいずれかに障害が起こり、性生活に支障をきたした状態を性機能障害と呼んでいます。インポテンスはこうした性機能障害のひとつです。

インポテンスはその原因により器質性勃起障害、機能性勃起障害、混合性勃起障害の3つに大別されます。

まず、勃起に関係する神経や血管などに、何らかの器質的障害が生じて起こるインポテンスを、器質的勃起障害といいます。性器官の奇形や神経・中枢機能障害といった場合は、すみやかに専門の医師に相談し、治療を受けねばなりません。症状の軽いうちは治る可能性が高いものです。

器質的な勃起機能は正常なのに、心理的要因により性交ができない状態を機能性勃起障害といいます。この機能的なものが原因の場合が、インポテンスでは重要な問題になります。

そして、糖尿病や腎不全などの合併症によるものを、混合性勃起障害といいます。ただしこの場合、誤った思い込みによる、心因性の場合が多々みられます。特に、糖尿病性インポテンスの約半数以上は心因性のものといわれているほどです。糖尿病だから駄目になったのではないかという思い込みが、神経をおかしくしてしまうのです。

糖尿病の合併症として起こるインポテンス

健康な体があってこそのセックスです。

それを脅かす最大の敵は、成人病。増加の一途をたどっている糖尿病や高血圧症にはやはり気をつけねばなりません。

糖尿病では、口の渇き、そこからくる多飲、そして多尿と頻尿、旺盛な食欲などの症状がみられます。これは糖分の代謝を促すインシュリンが不足することによって、血液や尿の糖分が増えるためです。

糖尿病はそれ自体はもちろんですが、その合併症のほうがむしろ恐いもの。主な合併症には、網膜出血、腎臓病、心筋梗塞などがあり、生殖器系の病気なども多くみられます。早期から自律神経が障害されることも分かっています。勃起に関する神経が、手足の神経より先に障害されるということもあります。

とにかく糖尿病性のインポテンスは、まずその原因である糖尿病を治さなくてはなりません。成人型の糖尿病で少しずつ症状が進むものは、すぐにはその症状が現れず、気がついたらかなり悪化していたということも多いものです。自分で何か変だなと感じることがあれば、すぐに専門家の診断を受けましょう。

しかし、糖尿病になったからといって、必ずしも全員がインポテンスになるというわけでもありません。前述したように、器質的には何も問題のない心因性のものもあります。検査を受け、その結果に合わせた治療が必要になります。

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