精液の量には限りがある?

回答:財団法人青少年性病予防協会理事長 医学博士 大沼晶響 先生

Q07.

男性の精液の量には限りがあるというのは本当でしょうか?
18歳男性

Answer

年をとるにしたがって、精液のつくられる量は自然と減ってきます。ただ、精液の量には個人差があり、若い人でも、栄養状態によって量は異なります。一般に、たんぱく質を多く摂取している人ほど、精液量や精子の数は多いと思われます。

精子の成り立ちとその役割

精子は、長さが50~70ミクロン(約0.05mm)というごく小さな細胞。オタマジャクシのような形をしており、頭部、中間部、尾部の3つに区分されます。

頭部には核と染色体が含まれ、卵子の活性化と遺伝情報を伝達。中間部は代謝活動を、尾部は鞭毛様となっており、これによって精子の運動が行われます。

精子は、受精に際して(1)卵子に接近して侵入し、(2)卵子を活性化して卵割を開始させ、(3)男性の遺伝情報を伝える、という大きな役割を持っています。

射精のメカニズム

精子は、輸精管を通っていったん精のうに蓄えられます。このタンクがいっぱいになると射精管に排出され、前立腺などからの分泌液とともに精液として尿道に押し出されます。これが射精のメカニズム。そして、放出された液のことを精液といいます。

精液は精子と精のう腺、前立腺などの分泌物が混合したもので、特有なにおいをもった乳白色の液体。若いときは、1回の射精で約2~5ccの精液が放出され、このなかには約2億~3億もの精子が含まれています。

精子は意外に生命力があり、精のう内には約6カ月間生存。酸には弱いのですが、アルカリ性に強く、女性器官の内部では活発に運動し、約1週間は健全に生き続けます。

加齢とともに減る精液の量

さて、精液の量には限りがあるのか? というご質問ですが、その答えは次の通り。

人間は年をとるにしたがって、精液のつくられる量は自然と減ってきます。ただ、精液の量には個人差があるもので、若い人でも、栄養状態などによってその量には違いがあります。一般に、たんぱく質を多く摂取している人ほど、精液の量や精子の数が多いと思われます。

以前もここで述べましたが、40年程前に行われたアメリカの有名なセックス調査『キンゼイ報告』によると、老人の週間射精回数は、66歳で1回、75歳で0.3回、80歳代で0.1回。これをみると、人間は歳をとっても、その数こそは減るものの、射精を行っていることがわかります。

一般に、ペニスの勃起力は18歳ぐらいがピーク。それと同じように、睾丸でつくられる男性ホルモンも、10代後半から20代前半がピークで、40代に入るとピーク時の7割ほど、60~70歳では約半分以下になってしまいます。

しかし、精子は精巣が機能しているかぎり、どんな年齢になっても製造され続けます。年齢とともに肉体が衰えても、精子そのものの生命力に変わりはありません。

加齢とともに精液となるほかの分泌物が減少するのは仕方のないことですし、勃起力や性感覚も、若い頃からみると、低下してくるのは当然。これは老化現象のひとつと考えましょう。

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