男性器機能低下を正しく知ろう

男性生殖機能の低下には、精子数やその状態の異常、勃起障害(インポテンツ)、射精障害(勃起するものの膣内では射精できない)などがある。

とくに最近問題になっているのは精子数の減少。

精子をつくる機能の異常には、精子減少症(精子の数が2000万/ml以下)や乏精子症(1000万/ml以下)、全く精子のない無精子症、活発に運動する精子の割合が50%以下である精子無力症などがある。また、精子をつくる通路の障害による性機能の障害もあげられる。

男性器機能低下、精子数減少の問題は、1992年にデンマーク、コペンハーゲン大学のニールス・スカケベック教授が、半世紀で成人男性の精子の数が1cc あたり1 億1300万から6600万にと、半減しているという報告をしたことで関心を呼んだ。

では何が、男性の生殖能力に悪影響を及ぼしているのか?

実際に精子数の少ない若い男性の体内では、ダイオキシン濃度が高いことが、東大病院分院産科産婦人科の堤治教授、国立環境研究所などの調査で分かっている。ダイオキシンとは、生物や人の生殖器などに影響を与える恐れがあるといわれている内分泌撹乱物質、いわゆる環境ホルモンの一つ。

この環境ホルモンが疑わしい。環境省は「内分泌撹乱作用を有すると疑われる化学物質」としてダイオキシン類、殺虫剤として用いられるDDTなど65種類をリストアップ。そして昨年までに20種類の「優先してリスク評価に取り組む物質」をあげている。

環境ホルモンが生殖機能に及ぼす影響は化学的には証明されていない。しかし、あちこちで何らかの変調が報告されている。動物実験でも生殖機能への悪影響がみられる。男性器が極端に小さくなったワニ、交尾や巣作りをしないワシ、雌雄同体のコイなどなど。また、環境ホルモンの一つ、ビスフェノールAはごく微量でも、ラットのオス、メスの性分化に影響することが実験で判明した。

人間に影響が及ぶのは、胎児期であるという。母親の女性ホルモンに、体外から入った環境ホルモンが絡み、胎児に影響を与える。胎内で母親の体を通じて環境ホルモンを浴びた胎児は、大人になったときに精子の形成能力が不十分になる、というのだ。 もしこの考えが正しいのならば、環境ホルモンが増えた時期を考えると、その影響を受けた子供たちが生殖年齢に達する10年先、20年先に大きな問題が起きるということも考えられる。

環境ホルモンが生殖機能に及ぼす影響は、まだ化学的には証明されていない。しかし、世界各国で、何らかの変調が報告されている。動物実験でも生殖機能への悪影響がみられる。男性器が極端に小さくなったワニ、交尾や巣作りをしないワシ、雌雄同体のコイなどなど。また、環境ホルモンのひとつ、ビスフェノールAはごく微量でも、ラットのオス・メスの性分化に影響することが実験で判明した。

人間に影響が及ぶのは、胎児期であるという。母親の女性ホルモンに、体外から入った環境ホルモンが絡み、胎児に影響を与える。胎内で母親の体を通じて環境ホルモンを浴びた胎児は、大人になったときに精子の形成能力が不十分になる、というのだ。

もしこの考えが正しいのならば、環境ホルモンが増えた時期を考えると、その影響を受けた子どもたちが生殖年齢に達する10年先、20年先に大きな問題が起きるということも考えられる。

ところで、一方では全く別の意見もある。環境ホルモンと生殖機能の低下には相関関係がない、というものだ。

1999年、アメリカ、コロンビア大学のハリー・フィッシュ教授は「精子数が減少しているとする研究論文は地域差が考慮されておらず、ニューヨーク、ミネソタ、カリフォルニアなどの精子数はこの25年間変化していない」と、精子減少論に統計学的な手法や地域差の観点から疑問を投げかけている。

精子数の減少がそのまま生殖能力の低下を意味すると考えていいのか、という疑問もある。精子数は必ずしも精子製造能力・生殖能力を示すわけではないという説だ。

提供者の問題もある。たとえ同じ人物でも、体調の善し悪しや、飲酒の有無、季節の違いなどが原因で、精子数や運動率は変動する。採取する場所や提供者の慣れも影響するとみられている。事実、ある男性を120 週間にわたり分析した海外の研究では、精液1ml中の精子数が1000万個以下から1 億8000万の間で大きく上下したという。 また、日本では、北海道の札幌医大泌尿器科が75~80年に札幌の自衛隊254 人の精液を調べた調査がある。この調査では、98年同じ札幌で男性ボランティアを募り、457 人の精液を調べて比較した。結果は、精子数が減っているとはいえない、若い世代で数が少ないという傾向もない、というものだった。

少子化は男女ともの生殖能力低下に起因し、産まないという選択よりも、産みたくても産めないことが原因ともいわれている。決定的な科学的証拠はないにしても、環境汚染は人間という種の保存に数々の問題を投げかけているのは確かなようだ。

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