セックスレス時代

「やりたくないの?」「できないの?」セックスレス時代が…

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)では、1960年代前半生まれの夫婦に、2人目出産をためらう働く女性が増加しているというデータをまとめた。その原因にバブルの崩壊による所得増の望み薄、働く環境などがあげられたが、「セックスレス」もおおいに話題となったという。社人研の研究では「避妊実行率は低下しているにもかかわらず、妊娠率が下がっている」ことが明らかになっており、その原因を「夫婦間の性交実施効率」が下がっているのではないか、と推測。こればかりは、推測の域を出ないために、結論を導き出すことはできないが……。

しかし、この説を裏付けるかのように、巷のセックスカウンセリング室における性の相談の大半がセックスレスを含めた性の不一致の問題。なかには結婚して15年、セックスはハネムーン当時に2~3回のみという夫婦も。この場合には心因的機能不全。やりたいと思っても男性が勃起しないからできないのだ。ではなぜ勃起しないのか……その心の奥底にあるものは見えない。物理的にセックスそのものが苦痛いなるのは、50歳以上の女性の場合。閉経を境に女性ホルモン・エストロゲンが減少すると、膣粘膜が萎縮し、性交時に痛みが起こったり、膣に傷がついたりする。性交痛ばかりでなく、女性にも分泌されている性欲をうながす男性ホルモンも出なくなるために性欲そのものもなくなる。

やりたくないのに痛い、痛いからなおやりたくない、の悪循環。結果、セックスレスが増える。女性は50歳代前半で、男性は50歳代後半に多くなる。

これとまったく同じ理由で、40歳代の女性にもセックスレスが増えている。性交痛がセックスを敬遠させ、敬遠すればなおさら性交したときの痛みが増す。この場合には閉経や女性ホルモンとの関連は見当たらない。パートナーの粗暴なセックスが原因かもしれないし、楽しめていないことは確か。

日本初の科学的な性行動・性意識に関する社会学的な調査」を行ったのはNHK。1999年、16~69歳の男女3600人に実施。このなかで「セックスレス」の調査では、配偶者や恋人と同居している者に限定してみてみると、セックスレスの割合は18.9%に達する。これをセックスレス群とし、非セックスレス群と比較してみると「自分たちのセックスについて」の項目では、「まったく話さない・めったに話さない」がセックスレス群では77.1%、非セックスレス群では43.4%。「セックスの際に行う行為の数」では「少ない(1~5)」と回答したのがセックスレス群では28.2%、非セックスレス群では17.8%となっている。

このようにセックスレスにおいては性行動が明らかに活発ではないという結果になっているが、だからといって「やりたくないからしない」というわけでもなさそう。セックスレスの人のほうがそうでない人にくらべてセックスへの不満は大きく、配偶者や恋人とのセックスに「不満・どちらかといえば不満」と答えたのは34.3%にのぼる(そうでない人は9.9%)。「セックスの回数を増やしたい」と考えているのもセックスレスの人の多く、27.1%を占めている。

したいのになぜできないのか」……それを探っていくと男性と女性の性差(ジュエンダー)にいきつくが、学問的なことは別にして、もっとセックスを楽しいものにしていかないと、次第にセックスへのズレが生じ、性の不一致にいたることは確か。

あなたたちは大丈夫?

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